税務署から突然「調査に伺います」と連絡が来たら、誰だって焦りますよね。 でも実は、税務調査はある日突然ランダムに行われるわけではありません。
「選ばれやすい申告パターン」というものが存在していて、それを知っておくだけで、調査リスクをぐっと下げることができます。
この記事では、福井県で事業をされている法人・個人事業主の方に向けて、税務調査の対象になりやすい会社の特徴と、今すぐ取り組める事前対策をわかりやすくお伝えします。
そもそも税務調査はどうやって対象が選ばれるの?
「うちは小さい会社だから関係ない」と思っていませんか?
実は、会社の規模に関係なく、法人でも個人事業主でも税務調査の対象になる可能性はあります。 どのように調査対象が決まるのか、まずはその仕組みを知っておきましょう。
国税庁のシステムが申告書を自動チェックしている
税務署は、提出されたすべての申告書を「KSKシステム(国税総合管理システム)」というコンピューターで管理・分析しています。
このシステムは非常に高性能で、全国の申告データを業種別・規模別に集計し、平均的な数値と比べて不自然な申告を自動的に抽出する仕組みになっています。
人の目だけでは何十万件もの申告書をチェックすることは不可能ですが、このシステムがあることで、税務署は効率よく「調査すべき申告書」を絞り込めます。
つまり、申告内容が平均値から大きくズレていると、システムに引っかかりやすくなるということです。
裏を返せば、「不自然に見えない申告書を作ること」が、税務調査リスクを下げる第一歩でもあります。
業種別の「平均値」から外れると注意される
KSKシステムが特に注目するのは、同業他社と比べたときの数値のズレです。 たとえば、飲食業であれば原価率の平均は業界全体でおおよそ30〜35%程度とされています。
それが突然50%を超えるような申告になっていると、「何かおかしい」とシステムに判断される可能性があります。
また、過去の自社の数値との比較も行われます。
前年と比べて売上がほぼ変わらないのに経費だけ大幅に増えている、あるいは急に利益率が下がったという場合も、チェックの対象になりやすいです。
「平均から外れた申告=不正」というわけではありませんが、説明できる根拠がないと疑われやすくなります。
税務調査に選ばれやすい会社・個人事業主の特徴
KSKシステムの仕組みを踏まえたうえで、具体的にどのような申告パターンが調査対象になりやすいのかを見ていきましょう。 「自分は当てはまっていないか」をチェックしながら読んでみてください。
売上や経費の数字に「不自然なズレ」がある
最も調査対象になりやすいのが、売上・経費の数字に不自然なズレがあるケースです。 具体的には、以下のような申告が注意されやすいとされています。
こうした数字の「ズレ」が複数重なると、調査対象として選ばれる可能性が高まります。 これらはいずれも、意図的に不正をしていなくても起こりうる状況です。
だからこそ、「なぜその数字になったのか」を説明できる資料を日頃から残しておくことが大切になります。
3期以上連続して赤字が続いている
連続して赤字が続いている場合、その事業がどのような収益計画で継続されているのか、税務署が関心を持つことがあります。
もちろん、本当に厳しい経営状況にある場合もありますし、赤字そのものが悪いわけではありません。
ただ、「赤字にしておけば税金を払わなくて済む」という考え方で経費を水増しするケースが実際にあるため、連続赤字は注意されやすいポイントになっています。
赤字が続く場合は、その理由を説明できる経営資料(設備投資の計画書、取引先の状況など)を残しておくと、調査が入ったときにスムーズに対応できます。
現金取引が多い業種は特に注意
飲食店、美容室、小売業など、現金での取引が多い業種は税務調査の対象になりやすい傾向があります。
クレジットカードや振り込みでの取引と違い、現金は記録が残りにくいため、売上の一部を申告しないことが「やりやすい」とみなされるからです。
現金売上がある場合は、日々のレジ記録やレジペーパーをきちんと保管し、売上台帳との整合性を保つことが重要です。
「現金が合わない日があった」という状況が続くと、調査官に疑念を持たれやすくなります。
福井県で税務調査が増える時期と傾向
税務調査はいつでも来るわけではなく、実は「増えやすい時期」があります。 事前にその時期を知っておくことで、準備のタイミングを逃さずに済みます。
8月〜12月は調査が集中しやすい
税務署では、毎年7月に人事異動が行われます。 新しく配属された調査官が業務に慣れ、本格的に調査を開始するのが8月以降です。
そのため、8月から12月にかけて税務調査が集中しやすい時期とされています。
また、12月末に向けては、その年度の調査件数を確保しようとする動きもあるため、年末にかけても調査が増える傾向があります。
「最近そういえばあの会社も調査入ってた」という話が周囲で出始めたら、それは調査シーズンのサインかもしれません。
この時期の前、つまり5月〜7月頃に一度、自社の申告内容を税理士と一緒に見直しておくのがベストなタイミングです。
福井県の主要業種と調査リスクの関係
福井県には、独自の産業構造があります。 繊維・眼鏡フレーム製造業、建設業、飲食・観光業、農林水産業など、地域特有の業種が多く存在します。
これらの業種では、以下のような点が調査で注目されやすいといわれています。
製造業・建設業:外注費と給与の区分、材料費の計上時期
飲食・観光業:現金売上の管理、接待交際費の内容
農林水産業:補助金・助成金の申告漏れ、家事按分の適切性
業種ごとに「よく指摘される論点」が異なるため、自分の業種でどこが狙われやすいかを把握しておくことが重要です。
福井県の業種事情に詳しい地元の税理士に相談することで、より的確なアドバイスを受けられます。
今すぐできる3つの事前対策
税務調査の対象に選ばれにくくするために、今日からできることがあります。 難しいことではありません。まずはこの3つから始めてみましょう。
①日頃の記帳と領収書管理を見直す
税務調査で最も問題になりやすいのは、帳簿や証憑(領収書・請求書など)の管理がずさんであることです。
「領収書がない」「帳簿の数字と通帳の残高が合わない」という状態は、調査官に悪印象を与えるだけでなく、経費として認められない可能性も出てきます。
領収書やレシートは、税法上7年間の保存義務があります。 月ごと・科目ごとにファイリングしておくだけで、調査当日にスムーズに対応できます。
特に接待交際費については、「いつ・誰と・何の目的で」という情報を領収書の裏にメモしておく習慣をつけましょう。
「ただ飲み食いした」という印象を与えないための、シンプルで効果的な対策です。
②申告書の「目立つポイント」を事前に確認する
申告書を提出する前に、自社の数字が「KSKシステムに引っかかりやすい状態になっていないか」を確認することが大切です。
具体的には、以下のような点をチェックしてみましょう。
粗利率が前年や同業他社と比べて大きくズレていないか
期末(決算直前)に不自然な売上・経費の動きがないか
連続して赤字になっている理由を説明できるか
外注費と給与の区分が明確になっているか
これらを一人でチェックするのは難しいため、顧問税理士に申告前に確認してもらうのが最も確実です。
問題がある場合は、申告前に修正できるので、追徴税額を未然に防ぐことができます。
③書面添付制度を活用して調査リスクを下げる
「書面添付制度」は、税務調査の実施率を下げる効果があるとして、近年注目されている制度です。
これは、税理士が申告書に「この申告書を作成するにあたって確認した内容や計算の根拠」を記載した書面を添付する制度です。 税務署が申告内容に疑問を持った場合、いきなり会社に調査に来るのではなく、まず税理士に「意見聴取」という形で確認をとります。
そこで税理士が申告内容をしっかり説明できれば、実際の税務調査(実地調査)が省略されることがあります。
書面添付制度を活用している場合、税務署がまず税理士に内容確認を行うことがあり、結果として実地調査に至らないケースもあります。
この制度を利用するには、日頃から記帳内容を丁寧に管理したうえで、税理士と密に連携することが前提になります。
※書面添付制度に関する詳細のブログは下記をご覧ください。
書面添付制度とは?税務調査を有利にする仕組みと活用法
税理士に顧問をお願いすると何が変わるの?
「自分で申告しているから大丈夫」と思っていても、専門家の目から見ると見落としやすいポイントが意外と多いものです。 税理士との顧問契約は、単に申告書を作ってもらうだけでなく、税務調査リスクを継続的に下げる仕組みを整えることでもあります。
毎月のチェックで問題を早期発見できる
顧問税理士がいると、毎月の帳簿や会計データを定期的に確認してもらえます。 問題が小さいうちに発見できるため、決算期に慌てて修正するような事態を避けられます。
たとえば、売上の計上時期が毎月ズレていたとしても、毎月チェックしてもらっていれば早い段階で気づけます。 それが3年分積み重なってから税務調査で指摘されるより、はるかに対応しやすい状況になります。
また、経費の処理方法についてもその都度アドバイスをもらえるため、「これは経費になるのか?」と悩む時間も減ります。 経営者が本業に集中できる環境を整えるためにも、顧問契約は大きな助けになります。
税務署からの問い合わせに対応しやすい申告書を作れる
税理士は、申告書を作成する際に、数字の根拠をきちんと説明できる形に整えることを意識しています。
「なぜこの数字になったのか」を資料とともに示せる申告書は、税務署から問い合わせがあった場合にも、スムーズに対応できます。
「節税はしたいけれど、いざ問い合わせが来たときに困りたくない」というのは、多くの経営者が抱える悩みです。
税理士は、税法の範囲内で最大限に節税しながら、同時に説明責任を果たせる申告書に仕上げるバランスをとることができます。
特に、国税局や税務署での勤務経験がある「国税OB税理士」は、税務署側がどのような観点で申告内容を確認するかを熟知しています。
そのような税理士に依頼することで、問い合わせや調査があった際にも、自信を持って対応できる体制を整えられます。
まとめ
税務調査は、突然やってくるように感じますが、実は「選ばれやすいパターン」があります。
KSKシステムによる自動チェック、連続赤字、現金取引の多さ、数字の不自然なズレ。これらに当てはまる申告書は、調査対象として浮かびやすくなります。
大切なのは、指摘されてから慌てるのではなく、日頃から対策を講じておくことです。
領収書・帳簿の管理を日頃から整える
申告前に税理士と数字の確認をする
書面添付制度を活用して調査リスクを下げる
この3つを実践するだけで、税務調査のリスクはぐっと下がります。 「自分の会社は大丈夫かな」と少しでも不安を感じているなら、一度税理士に相談してみることをおすすめします。
税務調査が不安な福井県の経営者様は、小出税理士事務所へ
税務調査の対策は、「通知が来てから」では遅いことがあります。 日頃からの申告管理や書面添付制度の活用など、事前にできることはたくさんあります。でも、それをひとりで全部やるのは、本業を抱えながらでは現実的ではありません。
小出税理士事務所では、金沢国税局での長年の実務経験をもとに、福井県内の法人・個人事業主の皆さまの税務調査対策をサポートしています。 「申告内容が不安」「調査が来たときにどうすればいいかわからない」「日頃の記帳を見直したい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
初回相談は無料です。 難しい税務の話も、わかりやすく丁寧にご説明いたします。皆さまが安心して本業に集中できるよう、税務の専門家として誠実にサポートさせていただきます。
※税務調査の立会に関する詳細のブログは下記をご覧ください。
【敦賀市の経営者必見】税務調査の立ち合いで損しない!国税局OB税理士が教える準備と対策
小出規峰税理士事務所
住所:福井県敦賀市 古田刈68-103-1
電話番号:0770-37-1116
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